濡れ百合

今回はイラストとSSのセットです。イラストを描いてて浮かんだストーリーを書いてみました!
なお、同じものをpixiv上にも掲載しています。

……
わたしは、歌穂とある秘密を共有している。
それは……お気に入りの制服を着たままお風呂に入ること。

「それにしても歌穂って変わってるよね」
冬セーラー服に包まれた身体を肩まで湯船に沈めて、わたしはつぶやいた。
「こうやって制服姿のままお風呂に入るなんて……普通やらないじゃない」
「普通やらないからいいのよ」
澄ました顔で親友は答える。お風呂のへりに腰掛けているけど、ブラウスもジャンスカもびしょ濡れだった。
「普段してはいけないことをしてしまう。それが楽しいんじゃない。普通お風呂に入る時は服を脱ぐでしょう? だからあえて服を着たまま入ってしまう。この背徳感……堪らないじゃない」
「そうだけど……」
そっと体を起こして、わたしは今の自分の姿を確かめた。毎日袖を通している濃紺色のセーラー服に紺色のニーソ。この姿で入浴してしまう自分が未だに信じられない。
でもわたしは歌穂に付き合ってる。なぜなら……。
「それに濡れた制服姿だって可愛いじゃない。杏奈も」
お湯をかき分けながら歌穂が近づいてきた。ゆっくりとした動作でわたしの隣に腰かける。ジャンスカに包まれたすらりとした肢体がお湯の中に入っていくのをわたしは不思議な気持ちと共に眺める。
「杏奈って髪が短くてボーイッシュだけど、制服着てると可愛いのよね~。だからびしょ濡れにしたくなるの」
「さっきシャワーかけまくったのそのせいだったのね」
「もちろん♪ でも私だってびしょ濡れにされたんだからお互い様よ」
歌穂はいわゆる<お嬢様>だ。背が高くて髪が長くて、しかも性格もいい。男子にモテまくっているけど、誘いは全て断っている。その理由は……。
「ねえ、杏奈。ちょっと立ち上がってみて」
「え? うん……」
少し力を込めて、わたしはお湯から出た。途端に大量の水が制服から流れ落ちて、その場に座り込みそうになる。全身に服がまとわりついて少しだけ気持ち悪いし、なによりも重い。
「杏奈。ポーズポーズ♪」
「ポーズ?」
「腕組んでキメてみて」
「もう……」
わたしは言われた通りにした。いつもの制服を着たまま、お風呂の中で何をしているだろうと内心思う。
「うん。やっぱり杏奈は格好いい。惚れるわね」
歌穂も一気に立ち上がった。大量のお湯をジャンスカから流し、長い髪をふわりと後ろにやって向かい合う。
歌穂は髪も長いが背も高い。どこから見ても正統派の美少女だけど、その本性は……。
「杏奈。好き♪」
あっと思う間もなかった。わたしは歌穂に思い切り抱きつかれていた。濡れた制服同士が触れ合い、湯気が一瞬濃くなる。

水面の夢013

「そこらの男の子より杏奈の方が好き。格好いいし、濡れた制服姿も絵になってるし」
「濡れた制服姿って……」
「本当に魅力的な女の子はどんな姿でも魅力的なの♪」
バランスを崩して、わたしたちは抱き合った状態のまま湯船の中に倒れた。全身がお湯につかり、またもや制服がびしょ濡れになる。何度濡れても不思議な感覚がしてならない。
「ここでは止めてよ……」
「制服姿のままお風呂に入って、女の子同士で抱き合う。二重の背徳感がいいんじゃない~」
歌穂には何を言っても無駄だった。とびっきりの美少女なのに女の子の方が好きなのだ。
でも……そんな歌穂がわたしも大好きだった。
大きな湯船の中に倒れ込んだまま、わたしは歌穂を抱き寄せた。さらさらのストレートヘア、ほどよく発育のいい胸、くびれたウエスト、そしてびしょ濡れの制服。

全てわたしのものだった。
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